今回は宗屋さんと、お茶の世界のさらに奥深くへと潜ります。お楽しみください。

- Joi

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いろんな角度から宗屋さんを見てみる

千宗屋さん。以前から色々な話は聞いていましたし、これまでご出演いただいた方が言及される機会も多く、一体どんな方なんだろうと思っていたんですが、いやはやとっても深い方でしたね。そして宗屋さんのお姿をみていると、なんだかだんだんと利休と重なって見える瞬間があったりして。

今回、谷松屋戸田商店の戸田貴士さん、そして藤田美術館館長の藤田清さんに再びご登場いただきました。

こちらのエピソードと合わせて聞いていただけると、楽しさも10倍増しですよ。ぜひ。

今回のエピソードを理解するための19つのキーワード

重窓

宗屋さんが東京のマンションの中に作った茶室の名前。東京タワーが見える場所にあったそうなんですが、この茶室の名前にはちょっとした経緯があるそうで。というのも昭和10年代、お茶が趣味だったとある会社社長さんが自社ビルの中に茶室を作り、宗屋さんのひいお爺様が「重窓」と名付けたとか。ビルの窓と茶室の窓が重なって見えることがその由来だったそう。 宗屋さんはこの文字が子どもの頃から好きで、いつか自分の茶室に使いたいと思っていたそう。東京のマンションで新しい茶室を作ることになった時に、重窓という名前を新しい茶室に掲げることにしたそうな。

樂茶碗

千利休が桃山時代の終わり頃に、自分の美意識にぴったり合う茶碗を作ってほしいと陶工の長次郎に頼んだのが始まり。長次郎は中国の明時代の三彩陶という技術を使える腕のいい陶工さんだったそう。後に豊臣秀吉から「樂」という字をもらって、その家は「樂家」として知られるようになりました。

田中宗味

樂焼の歴史に深く関わった人物で、お父さんの田中宗慶は千利休の側近で、初代長次郎の奥さんのおじいさんにあたる人なんです。宗慶は、長次郎と一緒に樂焼の工房を切り盛りしていたそうです。 そんな宗味の娘さんが、長次郎の奥さんになったとか。宗味が作ったとされる作品も今に残っているそうなんですが、本当に宗味が作ったものなのかはっきりしないものが多くて、今でも研究者の間で謎が残されているんだとか。

埋み火

千家で大晦日から元旦にかけて行われる、とても趣深い儀式のひとつ。夜になると火種を灰の中にそっと埋めておいて、朝になったらその火を掘り出して使うんだとか。お茶の家では、この火を絶やさずに引き継いでいくことは受け継がれてきた伝統や精神を守り続けることにもつながるみたい。この年末にも宗屋さんがインスタのストーリーで埋み火の経過をアップしていました。光る炭を紅白見ながら画面で眺めるのは、なんだかとっても落ち着く瞬間でした。

まるぎっちょ

漢字では 丸毬打と読むそうです。毬打とは、平安時代に京都で行われた遊戯、木毬をたたく槌のこと。その形状を炭に見立てたもの。

不滅の法灯

比叡山延暦寺で1200年以上もの間、一度も消えることなく燃え続けている神聖な火のこと。奈良時代から平安時代にかけて、天台宗の開祖である最澄が灯したとされていて、以来、代々の僧侶たちが丁寧に守り続けてきました。

延暦寺の根本中堂

比叡山延暦寺の中心となる国宝建造物。ここには天台宗の開祖、最澄(伝教大師)が自分の手で彫ったと伝えられる秘仏の薬師如来立像が本尊として祀られているんですよ。不滅の法灯もこのお堂の中にあるそうです。

伝教大師

最澄さんが没後に贈られた称号。最澄さんは日本の天台宗を開いた僧侶で、比叡山で修行を重ねた後、遣唐使として中国へ渡って天台の教えと密教を学んだ人物。歴史でやりましたね。

薬師如来

病気を治して、心と体の健康を守ってくれる仏様として、古くから日本中で親しまれているんです。特徴的なのは、手に持っている薬の壺。この壺には、あらゆる病気を治せるお薬が入っているんだとか。

「あきらけく 後の仏の御世までも 光りつたへよ 法のともしび」

延暦寺の不滅の法灯の始まりを物語る、とても大切な和歌。延暦7年(788年)、最澄(伝教大師)が比叡山に小さなお堂を建てた時に詠んだもの。この和歌には、「仏法の光を、はるか未来の弥勒如来の時代まで、明るく伝え続けてほしい」という最澄の深い願いが込められているそうです。

木守

もともとは、収穫後の柿の木に一つだけ実を残しておくことを指すそうです。この残された柿のことを「木守り柿」と呼ぶんだとか。 この名前がついた茶碗は、千利休が長次郎に作らせた赤楽茶碗。利休がいくつか茶碗を弟子たちにプレゼントした時のこと、それぞれに茶碗を選ばせたんだそう。すると、一番シンプルで地味な赤い茶碗が最後に残ったんですって。これを利休は木守と名付け、大切に使い続け、後に武者小路千家に伝わったそうです。

残念ながら、この茶碗は関東大震災で失われてしまったんですが、その価値があまりに大きかったため、楽家の歴代と家元たちが「写し」を作り続けているんだとか。新しい家元が襲名する時には必ずこの茶碗の写しを作るそうです。これは単なる形を真似るだけではなく、利休や長次郎の心に触れる大切な作業なんだそうです。

本歌

和歌の世界では、古い歌を元にして新しい歌を作る時の元歌のことを指します。一方、お茶の世界では茶道具の「オリジナル」のことを指すんですよ。つまり、たくさんの写しが作られた茶碗があった場合、最初の一つが「本歌」というわけです。

写し

お茶の世界では、元となる道具を忠実に再現することを「写す」というそうです。これは、単なる複製を作ることとは全く異なります。西洋では「オリジナル」を重視しますが、日本の伝統的な考え方では、物そのものよりも「形」に宿る精神性を大切にしてきました。物はいつか失われてしまうかもしれないけれど、その「形」を写し継ぐことで、そこに込められた心や精神は永遠に受け継がれていくという考え方なんだそう。深い!!

付喪神

長い間大切に使われてきた道具やものに宿る精霊のこと。「九十九神」とも書くそう。日本の伝統的な考え方では、道具を長年使い続けると、そのものに魂が宿ると考えられていたんです。それだけ、道具を大切にする心が昔からあったということかもしれませんね。

寄物陳思

万葉集の時代から伝わる和歌の表現方法。人の気持ちや感情って、そのまま言葉にするのは難しいですよね。そこで、季節の風物や自然の情景に例えて表現するんです。「寄物」は物に寄せて、「陳思」は思いを述べるという意味で、自然や身の回りのものに自分の気持ちを重ねて詠むんだそう。なんて風流!

ルイス・フロイス

1532年に生まれたポルトガル人の宣教師で、31歳でイエズス会の司祭として来日した人物。イエズス会の記録係だったそうです。 ルイス・フロイスが書いた『日本史』という本があるそうなんですが、これは単なる歴史書ではなく、当時の日本の政治や経済はもちろん、日本人の考え方や宗教、文化、そして普段の暮らしぶりまでを細かく記録しているものなんだそう。外国人の目から見た戦国時代の日本の様子がよくわかる、とても貴重な資料として、今でも高く評価されているんですよ。

マタイ伝の狭き門より入れ

聖書のマタイによる福音書に出てくる有名な言葉からきた表現。「滅びに至る門は大きく、その道は広い。でも、命に至る門は狭く、その道は細い」という教えなんだとか。 本当に価値のあることを成し遂げたいなら、楽な道ではなく、困難な狭い道を選んで進むべきだということを説いているそう。つまり、簡単な方法や近道を選ぶのではなく、たとえ大変でも本質的な道を歩むことの大切さを教えているんですね。

聖体拝領

カトリック教会のミサで行われる、とても重要な儀式で、信者たちがキリストの体と血を象徴するパンとワインをいただくもの。

カリス

カトリックのミサで使われる特別な杯のこと。ワインを注いで使うんですが、これは普通のワイングラスとは異なり、キリストの血を象徴する聖なるぶどう酒を入れる大切な器。

今週のおさらいクイズの申請先

「おさらいクイズ」の申請先は以下の通りとなります。

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